ファンシュラウド

 
エンジン側から見ると後ろにありますが、車の進行方向に位置するパーツなので フロントチン です。加工を始める前に、部品の中央付近があまりにも細くて折れそうなので針金で骨を入れておこうと思います。
 
エンジンチンと針金の隙間にはロウ付け溶接が良さそうなので採用してみました。フラックス内蔵タイプのロウ材を使ったのでハンダ感覚でお手軽でしたが、やはり半自動溶接と比べると少し手間がかかります。
 
進行方向側から見るとこんな感じです。穴ひとつ分ではありますが、これによりアクセルワイヤーとツインキャブのリンケージが、ほぼストレートに接続できます。元の位置でも大きな問題はなかったのですが、わずかばかりアクセルワイヤーが斜めに引っ張られているのが気になっていました。エンジンチンの補強にもなると思います。
 

 

2液性エポキシ樹脂のメリットは硬化が早い点ですが、デメリットも硬化が早い点です。特に夏場は素早く作業しないと5分程度で硬化が始まります。「後で削ればいいや」と思いマスキングしてませんでしたが、わざわざ削る必要も無い箇所なので「マスキングテープを剥がして終わり」にしたほうが良かったですね(反省)。
 
リアエンジンチンの作業に移ります。ポルシェスタイルのファンシュラウドに交換した当初はヒートエクスチェンジャーを付けていませんでしたが「やっぱ冬は寒いなぁ」ということでヒートパイプが後付けされました。その後「とにかく夏は暑いなぁ」となってエアコンが追加された事で、さらに加工が施された経緯があります。最初からカスタムのコンセプトをしっかり設定しておけばよかったのですが、オーナーの堪え性のなさで手間が掛かってしまった典型的なパターンです(汗)。
 
 
自動車用の薄い鋼板に対して半自動溶接機を使用しているので、基本的には付け溶接を連続することでの溶接にしていきます。連続で溶接し過ぎるとあっという間に鋼板が溶けて穴が空いてしまいます。
 
 
撮影した角度の関係でお互いに干渉しているように見えますが、この位置がベストポジションでした。コンプレッサーベルトの逃げで切り欠いた部分の谷折りを加工して 徹底的に下からの熱い空気は封じておきます。
 
無いものは作るしかありませんので、型紙で寸法を測って開口部を最小限に抑える ワンオフチン を鈑金しました。曲げ加工をしておくと鉄板がペラペラしにくくなりますし、切りっぱなしのフチでプラグコードを傷つけてしまうことも防げます。
 
 
加工から3ヶ月経過して 塗装の段階まで到達しました。ツヤあり に見えますが 半ツヤ消しブラックです。
 

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