ポリッシング

塗装とポリッシングは一連の作業です。ページ投稿の時点では まだ ボディ未塗装ですが、塗り終えた小物パーツから先に磨いて仕上げておきます。画像にあるものが 私が使用している 磨きセット になります。
 
磨くのは 塗装肌だけではなく、このような 樹脂パーツ も ポリッシュできます。現行車では ヘッドライトの黄ばみ除去研磨 などにも活用されている手法です。
 
画像だと ほとんど認識できませんが、肉眼で見ると ホコリ(ブツ) がのっています。クリヤー層に付着した ブツ であれば ポリッシング で除去が可能ですが、ベースカラー層 や パール層 の段階で付着してしまった ブツ は除去することができません。これが メタリック・パール塗装 の難易度を上げている要因のひとつです。
 
#1500 → K-2000 の後は 極細目コンパウンド で手磨きします。画像はコンパウンドが少し多過ぎです。少しの量でもしっかり磨けます。また 磨く時には 力を入れる必要はなく 手を往復させる回数のほうが重要です。仕上げに 超微粒子コンパウンド でポリッシュすれば完成です!
 
 
 
塗り終えた部品から随時 ポリッシングしていきます。セマフォーのアーム部分の 工場出荷時の色 は ボディ色 と ブラック の両方が存在していたようです。個人的には ボディ色と同じではないほうが好みなので ブラックに塗装しました。濃い色は 磨きキズが目立ちやすいため さらに細かいコンパウンドも必要になります。
 
セマフォー は 確か10数年前?に 12V仕様 がリプロダクトされた時に交換しており、前車歴 ’58 Type-1 に付いていた 6V仕様 から純正レンズを移植して使っていました。ただ 文献によると To-’57 Type-1 のヨーロピアンモデルは 橙色レンズが採用されていたらしいので これを機会に交換しようと考えていました。
 
取り寄せた リプロ橙色レンズ は 正直言って残念なクオリティでした。純正レンズを型にとって複製したのか 表面が荒くバリもある状態で、VWロゴもパーツナンバーも そっくりそのままコピーされていました。’58 純正レンズのままで良いかとも考えましたが、溶けた箇所 もあり 時代考証 的にもモヤモヤするので 橙色レンズ にします。
 
プラスティック等の 合成樹脂 には 様々な種類や特性がありますが、おそらく リプロレンズは プラモデル と同じ素材です。ハード・2でも磨きキズが残るほど柔らかい材質だったので、最終仕上げは タミヤコンパウンド(仕上げ目) で磨きました。それにしても 橙色レンズに交換すると より一層「シャケの切り身」っぽく見えますね(笑)。
 
ボディが塗り上がったので 早速 ポリッシング していきます。磨く面積が広いので ツールが必須です。ポリッシャー (RYOBI製) は20数年前に使っていたものですが 問題なく動作しました。当然 コンパウンドとバフは新品です。
 
特殊な処理をしていない一般的な自動車は このように塗装肌が若干 ゆらゆら しているのが普通です。新車の時は まさにこの状態だと思います。塗りたてホヤホヤ感があって このままでも充分にツヤはあるのですが、ひと手間加えて ここからさらに磨いていきます。
 
ツールだと削れ過ぎてしまいそうな場合は 手磨き します。あと 上記で紹介した手順は 塗装後のポリッシング の一例でしかなく 状況に応じたポリッシング工法は 他にいくつもあります。例えば 塗膜が薄くなっている箇所にもかかわらず #1500 で水研ぎしてしまうと あっという間に塗装が剥げる ので その点はご注意ください。
 
研磨が終わるまでは マスキングテープ は外しません。外さないどころか エアーインテーク は 追加でマスクをしないと 研ぎ粉 や コンパウンド が中に入ってしまい除去に苦労します。ポリッシング完了までが 塗装工程 です。
 
ポリッシング工程の解説動画をアップしました!
 

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