ポリッシング 塗装とポリッシングは一連の作業です。ページ投稿の時点では まだ ボディ未塗装ですが、塗り終えた小物パーツから先に磨いて仕上げておきます。画像にあるものが 私が使用している 磨きセット になります。 磨くのは 塗装肌だけではなく、このような 樹脂パーツ も ポリッシュできます。現行車では ヘッドライトの黄ばみ除去研磨 などにも活用されている手法です。 ①#1500 水研ぎは 元の状態が悪い場合に実行します。状態が悪くなければ ②K-2000 空研ぎ から始めます。 コンパウンド磨きは ポリッシャー を使うと楽ですが、入り組んだ箇所や小物の場合は ウエスで手磨きします。 画像だと ほとんど認識できませんが、肉眼ですと ホコリ(ブツ) が見えます。クリヤー層に付着した ブツ であれば ポリッシング で除去が可能ですが、ベースカラー層 や パール層 の段階で付着して埋没した ブツ は除去することができません。これが メタリック・パール塗装 の難易度を上げている要因のひとつでもあります。 軽くペーパーを当てると ツヤが消えない箇所が残るので はっきりと認識できます。ブツ は #1500 水研ぎ ブロックサンディング して平坦にします。その後 K-2000 で空研ぎして 全体にツヤが無くなるまで磨きます。その際には プレスライン上 や エッジ周辺 は軽い研磨でも 大きく削れる ので ペーパーを当てないように注意します。 #1500 → K-2000 の後は 極細目コンパウンド で手磨きします。画像はコンパウンドが少し多過ぎです。少しの量でもしっかり磨けます。また 磨く時には 力を入れる必要はなく 手を往復させる回数のほうが重要です。仕上げに 超微粒子コンパウンド でポリッシュすれば完成です! 塗り終えた部品から随時 ポリッシングしていきます。セマフォーのアーム部分の 工場出荷時の色 は ボディ色 と ブラック の両方が存在していたようです。個人的には ボディ色と同じではないほうが好みなので ブラックに塗装しました。濃い色は 磨きキズが目立ちやすいため さらに細かいコンパウンドも必要になります。 セマフォー は 確か10数年前?に 12V仕様 がリプロダクトされた時に交換しており、前車歴 ’58 Type-1 に付いていた 6V仕様 から純正レンズを移植して使っていました。ただ 文献によると To-’57 Type-1 のヨーロピアンモデルは 橙色レンズが採用されていたらしいので これを機会に交換しようと考えていました。 取り寄せた リプロ橙色レンズ は 正直言って残念なクオリティでした。純正レンズを型にとって複製したのか 表面が荒くバリもある状態で、VWロゴもパーツナンバーも そっくりそのままコピーされていました。’58 純正レンズのままで良いかとも考えましたが、溶けた箇所 もあり 時代考証 的にもモヤモヤするので 橙色レンズ にします。 「ツヤが無いなら磨くしかない」という事で、セマフォーレンズ も ポリッシング しました。取り付けを進めていくと、不具合はツヤが無いだけではなく 各部の寸法も微妙に違っていて 現物合わせの加工・修正が必要でした。 ポン付け できないのは VWに限らず 旧車あるある なので仕方がありません。リプロダクトされたことに感謝。 プラスティック等の 合成樹脂 には 様々な種類や特性がありますが、おそらく リプロレンズは プラモデル と同じ素材です。ハード・2でも磨きキズが残るほど柔らかい材質だったので、最終仕上げは タミヤコンパウンド(仕上げ目) で磨きました。それにしても 橙色レンズに交換すると より一層「シャケの切り身」っぽく見えます(笑)。 ボディが塗り上がったので 早速 ポリッシング していきます。磨く面積が広いので ツールが必須です。ポリッシャー (RYOBI製) は20数年前に使っていたものですが 問題なく動作しました。当然 コンパウンドとバフは新品です。 特殊な処理をしていない一般的な自動車は このように塗装肌が若干 ゆらゆら しているのが普通です。新車の時は まさにこの状態だと思います。塗りたてホヤホヤ感があって このままでも充分にツヤはあるのですが、ひと手間加えて ここからさらに磨いていきます。 #1500 耐水ペーパーにブロックをあて水研ぎです。クリヤー塗装中に付着した ブツ を除去するためにも この工程は必要です。投光器で照らしながら 塗装肌を確認しつつ 平坦になるまで磨いていきます。もしこれが部分塗装だった場合 塗っていない箇所と塗装肌を合わせる必要がありますが、全塗装なので ガチ削り で徹底的に磨きます。 次は KOVAX K-2000 で全体を空研ぎです。耐水#2000 の水研ぎでも代用できますが、ツールを使用する事で ムラなく均一に・素早く研磨ができます。 ただし プレスライン上 や エッジ付近 を削りすぎないように注意します。 極細目コンパウンド(3M ハード・1) は #2000程度のペーパー目を取り除くことができます。ウールバフ をポリッシャーに付けて磨いていきます。先に毛が長いロングウールバフを使い 短いウールバフを後に使っています。 仕上げに 超微粒子コンパウンド(3M ハード・2) を スポンジバフ で磨きます。ツールだと削れ過ぎてしまいそうな場合は 手磨き します。今回のような ガチ磨き をするためには クリヤー3度吹きが必須であったのです。 塗ったままの上側と研磨した下側で 景色の写り込みに差があります。なお これらの手順は あくまで一例でしかなく ポリッシングの工法は 他にいくつもあります。例えば 塗膜が薄い箇所を いきなり #1500 のペーパーで水研ぎしてしまうと あっという間に塗装が剥げます。塗装の状況を見極めて、それに応じた最適な磨き方が重要です。 研磨が終わるまでは マスキングテープ は外しません。外さないどころか エアーインテーク は 追加でマスクをしないと 研ぎ粉 や コンパウンド が中に入ってしまい除去に苦労します。ポリッシング完了までが 塗装工程 です。 ポリッシング工程の解説動画をアップしました! レストア Part2 – 目次に戻る