リアフード

リヤフードの復元

中古品リヤフードを利用しました。
年代の違いから形状が異なっている箇所もありますが、移植するにあたっての問題は無さそうです。

使用する部分を大きめに切り出します。
鉄板の切断に利用したのは、エアーニブラーと呼ばれるエアー工具です。
電動タイプや人力のハンドニブラー等も存在します。

上の錆びた部品はオリジナルのリアフードの裏側です。
この部分は後で溶接することになります。

実際に移植先に合わせてみて、カットする箇所をマーキングします。

マーキングに沿って慎重にカットしていきます。
こういった曲線はニブラーを使うことで正確に切断することが可能です。

微調整を重ねて問題なければ、まずは点付け溶接をして位置を固定します。

後は点と点を結んでいくように、全てを溶接していきます。
鉄板は熱を加え過ぎると歪みが生じますので、気をつけながら溶接を続けます。

仕上げに、溶接跡を削り取れば、オモテ側の作業は完了です。

袋状になってしまう箇所にはあらかじめ錆止め処理を施しておきます。
その後、ウラ側のパーツも溶接をして移植作業が完了です。

リン酸亜鉛処理

メタルレディをワイヤーブラシと併用して表面を磨いていきます。
この段階で軽度のサビであればある程度除去ができます。
重度のサビは取り除けませんが、気にせずに作業を進めます。

この工程により、メタルレディの主成分であるリン酸が鉄鋼と反応して
結晶性の皮膜が形成されます。この皮膜は水に溶けないので、処理後に
水洗いが可能であり、湿気にも強いというメリットがあります。

金属の表面に人工的に錆皮膜を生じさせ、それによって錆を防ごうというのが
リン酸亜鉛処理です。酸は酸化皮膜を作るのと同時に、すでに発生している錆
を落とす効果もあります。そして鉄は酸と反応して酸化鉄を作る際に水素を発生
します。発生した水素はリン酸亜鉛皮膜の表面にも小さな穴を開け、さらにリ
ン酸亜鉛の結晶が鉄鋼の表面で結晶格となり、それが成長して皮膜となるため
表面には微細な凹凸がたくさんできます。この上に塗料を塗ることで接着面積
が増えます。さらには表面の気孔がクサビ効果にもなるために塗膜の付着性も
上げる結果になります。これがリン酸亜鉛処理による塗装下地処理作用であり
自動車やバイクなどのレストアには欠かせない手法のひとつなのです。

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